2025/03/03 Blog「ダイビング器材」・冬の相棒“Ursuit CORDURA FZ Drysuit”



昨年まで16年ほど冬は白馬エリア(小谷村)にいたので、必要性があまりなく、またネオプレーン製のドライスーツというものがとても好きではなく(首が苦しすぎる、動き辛すぎるので)白馬から一時帰宅の時にちょうどタイミング良くお客様からご予約いただくなど、どうしてもと言う時は6.5mmカブリに3mショートジョン+3mmベスト+タッパーなどで凌いでましたが、この冬は白馬へ行きを取りやめ土肥にいるならと久しぶりに、ほんと何年かぶりにドライスーツを昨年の12月に新調。
それが、今年ドライスーツの製造を始めて60周年のフィンランドのメーカー“Ursuit(ウルスイット・ウルスーツ)”の「CORDURA FG」。どうせドライを買うならネオプレーンはイヤ、絶対シェルドライ、ネックシールはネオプレンでは無くラテックスかシリコン、BZ(バックジッパー)ではなくFZ(フロントジッパー)、他の人とカブらないモノ、耐久性のあるモノという条件で探して行き着いたのがコレ。
ホームの土肥の海・窓口の土肥DSのオーナー金原くんがシェルの愛用者でポーランドのメーカー「SANTI」の“E.LITE”やWDさんのシェルを使っているのでシェルドライのいい面・悪い面も聞けて参考になりそれを踏まえて決定。Ursuitは日本には代理店がないので何度か利用していたフィンランドのアウトドア全般を幅広く展開しているショップから購入したのですが、海外高額商品購入のデメリット部分にいきなりブチ当たりました(汗)。
12/19 にオーダーして在庫ありとのことで12/24クリスマスイブにはヘルシンキから日本のここ八木沢に到着。“おーはえーぜ!明日クリスマスに浸水式だー”って喜んだ矢先、“あれれっ???”



在庫の保管状況が悪かったのか、ネックシールに顕著すぎるほどの劣化あり(滝汗)。とりあえず、使ってしまたら保証対象外ですってのは避けたいので水に浸けるのはやめといて、“不具合ある場合はカスタマーセンターへ”とWEBに案内があったので即メールしましたが、ちょうどクリスマス&ニューイヤー休暇で返信なく、しつこく何度かメールしてやっと1月上旬に連絡取れまして、ショップからの提案で30%OFFで決着つきました。ヘルシンキに送り返して修理してまた送ってもらってだと相当日数かかるし送料のこともあるし、Ursuitは日本の代理店なさそうですが、なんならネックシールの交換とかは自分でやればいいし。買値の額が額なだけに30%は結構デカい!そして何より早くこの件終わりにして海で使いたいし。とりあえず劣化しているシール先端部分をカットして使用開始。今現在、水没も一切せずにちゃんと使えてます。返金で同じUrsuitのドライスーツインナーと補修用に自分で簡単にシリコンネックシールを交換可能なSITECHのQuick Neckと一応ラテックスのネックシールできてラッキー。連絡取れてからはショップスタッフの対応も返信のレスポンスも良かったので、色々と面白いもの売ってるのでこのお店また使おうとも思ってますし一件落着。
・購入したお店 VARUSTE.net:https://varuste.net/ja/

付属品に書いてなかったから別で買ってしまった(泣)

あったかいです!
と、まあ実際に使い出すまでにスッタモンダありましたが、結果シェルドライ良し!「Ursuit CORDURA FZ」2024年買ってよかったモノに入れます(笑)。他にシェルドライを使用したことは無いので他のものとの比較レビューはできませんが、これ自体を1ヶ月半使ってみた感じはとても良い、使いやすいです。ドライスーツダイビングのストレスがすごく軽減されました。ずっと長くシェルドライを使って来られた方からすると今更何言ってんの?(呆)って思われる至極普通の感想だと思いますが、まずラテックスのネックシールって全然首が苦しくない!これ本当に助かる。あのネオプレーンの首を通してからの折り返し“作業”、これがめっちゃ嫌。わずわらしくて仕方ない。そして着てて苦しい、苦しい上にちょっとでも変に折り返しが甘かったり、シール自体がヘタって緩かったりするとすぐ水没する。特に船でバックロールとか首を前に曲げての状態が一番ダメ、本当すぐ水没(単にドライスーツ下手って話ありますが・汗)。これらのストレスが無いだけでももう最高‼️そして他人の力に頼らず自分の意思で開け閉めがが出来るフロントジッパー、これ“神”。水から上がってお○っこやべー時、まさに“神降臨”!誰かいないかな?のストレスフリーでほんと助かります。何気にエントリー前の“ファスナー閉めてください”も、お願いする人の様子を伺って(大概、相手も同じく準備してるわけで、今なら大丈夫かな?って様子を伺って)がさりげなくぷちストレス。切羽詰まった状況やそこまでじゃないけど、タイミングを見計らってのお願いナニゲストレスが皆無なのはほんと“楽”!フロントジッバー“神”!



ラテックスネックシールやFZはシェルドライ全般の特徴なので、これ自体の特徴を少し。“CORDULA”って名前だけあってパッと見、なんか強そう!Ursuitのドライスーツ、もちろいんいくつかモデルがありますが一番長持ちしそう、耐久性ありそうって思ってこれにしたので。メイン素材がコーデュラコーティングされた3層構造の強い生地で引っ掻きとか擦れとかに強そうな上に、更に特に擦れる部分、股下、裾、肘、膝にコーデュラ補強材で強化されていてほんと耐久性ありそう。生地が強いと重くて動きづらいかって思いますが、今まで使って来て特に不便を感じて無いので全く問題ないです。
この点Ursuitの公式HPには
“CORDURAの重要なガイドラインの 1 つは、水中での優れた性能と水上での軽さと使いやすさを融合させた「ヘビー ライト」哲学です。耐久性と変更可能な機能に加え、これが世界中の多くの防衛軍がコーデュラを選んだ最も一般的な理由の 1 つです。”とのこと。
脱ぎ着も胴体部分が長めに作ってあって折りたたんで伸縮できるテレスコピック機構なので脱ぐ時は伸ばして楽らく脱げます。このテレスコピックシステムは、別に“CORDULA”に限ったことではなく一般的なシェルの特徴ですが。


バルブは吸気も排気もUrsuitロゴが入ってますが、スウェーデンのSI TECH社製でインフレーションバルブ・吸気バルブはSI TECH“Shell”。中央にボタンがあるいたって普通の吸気バルブ。排気バルブはSI TECH“Thetis”でバルブ全体が押すと排気される、これもいたって普通の排気ボタンで、時計回りがロック方向で反時計回りがフリー(オート)。今のところ良くあるバルブからの水漏れとかも一切ないです。使用する時は抜けやすいようにいつも反時計回りに全振りしてますが、腕(肘)を上げて排気する時の反応もいいし、フリーの方に全振りしていても必要ない時に勝手に抜けてしまってる...ってこともなく使い勝手は良いですね。

今や定番のスタイル!両方の太もも部分についた大きな“テクニカルポケット”D リングとバンジー ループがついていて、フラップ部分にはジッパー開閉式の小さなポケットが付いています。(今のところ全然使ってませんが・笑)


ロゴがまたかっこいい

そして、何よりこのRED&BLACKのカラーリングとロゴに惹かれました(笑)。随分前の話になりますが、自分が土肥のダイビングサービス“THE101”在籍時のウエットスーツ&ドライスーツのカラーリングはこの“RED&BLACK”だったので。それとやっぱり何よりUrsuit Drysuitにした決め手は“人とカブらない”(だろう)ってコト。これスノーボードのウェアーみたいなモンで大事(笑)
CORDURAドライスーツの、というかシェルドライ全般になると思いますがデメリットはネオプレーンに比べるとやはり保温性が低いってコトでしょうか。確かにシェル素材自体は中綿やダウンの入っていないアウトドアジャケットと変わらないわけで、それ自体に保温性ありませんから素材自体に保温性のあるネオプレーンと比較すると(=ネオプレーンドライの時のインナー装備と同じでは)“寒い”と思います。なので登山やスノーボードのウェアと一緒で中綿やダウンなどの入っていなくてそれ自体保温性がなければレイヤードで解消すればいいだけの話で、シェルドライもインナーをそれなりに機能性のあるファーストレイヤー、ミッドレイヤーとレイヤード(重ね着)したり、予算的に可能であるならインナースーツを高性能のものにしたりと解決策はいくらでもあります。あ、あとデメリットとして中に着るものによってはウエイト量が増えるかもしれませんね。その場合はウエイトベストなどで重量分散すると良いと思います。腰だけに重たいウエイトはキツイですもんね。そんなデメリットがいくつかありますが、それを押して余りあるメリット、首が苦しくない、サイズに余裕がある分動きやすい、ましてやFZなら開け閉めストレスフリーなシェルドライはWinter Divingシーンでこの上なく心強い相棒になること間違いなしです。自分のようにドライキライダイバーだった方は、試してみる価値の大いにありだと思います。ダイビングの楽しみが広がりますよ!
Ursuit 「Thermofill Heavy」を始め機能性のファーストレイヤーなどドライインナーのこと、SI TECH Quick Neck、その他ドライスーツ小物などこれからこのBlogでご紹介できればと思ってます。
Ursite :https://www.ursuit.com/
SANTI :https://santionduty.com/
SI TECH :https://www.sitech.se/